商人 #21
シンプルなホットケーキと本物のフルーツを
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Cafe & Hotcake Tulipes
(カフェ&ホットケーキ チュリップ)
ふわふわ1枚の幸せカフェオーナー
吉田 直樹・葉月
STORY
真っすぐな樹と、包み込む葉のように。
中之町商店街に新たな店が誕生した。2021年4月29日にオープンしたホットケーキ専門店「チュリップ」。オーナーの吉田直樹さんは東京で8年修行した後、再び故郷に戻って自分の店を持つことに。それを支える妻、葉月さんと共にこれからこの店のストーリーがはじまります。

コロナ禍での新たな挑戦
―― 何故このコロナ禍で独立しようと思われたのですか?
東京の有名なフルーツパーラなどを手がける会社で8年間勤めました。いつかは岡山に戻ると思っていましたが、3年前ぐらいからお店を出す準備はしていました。コロナの前から決めていたことなので、とても悩みましたが計画通り出店することにしました。

―― 不安はなかったですか?
口には出さなかったけど、大丈夫かな?という不安はありました。でも仮に時期を先延ばしにするとまた時間かかると思いました。一度決断したことをやめてしまうと、もういいやと思ってしまいそうだったので、決めたことはやり抜こうと。僕は人の言葉に影響されやすいので考えが揺れちゃうことが多いです。だから思い切って自分の信念を曲げずに決めました。どんなビジネスにもいい時もあれば悪い時もある。業界的にも今がどん底なので後はもう上向きになるしかないと思っています。

本物のフルーツの良さを知ってもらうために
―― 実家の「吉田珍果物店」のある中之町商店街を選んだのは何故ですか?
生まれ育った町で馴染みもあり、最近人通りも少なくなってきたので、何か力になれたらいいなと思いました。僕は実家が果物屋だったので果物に囲まれて育ちましたが、僕よりも若い世代の人たちは、家で果物を食べる習慣がないように思います。そういう人たちに果物に興味を持ってもらえるきっかけを作りたいと思いました。そうすることで実家にも貢献できると思います。

1枚1枚丁寧に銅板で焼く、昔ながらのシンプルなホットケーキ。
―― 何故ホットケーキの専門店にしたのですか?
東京で働いていた店も果物店が経営するホットケーキの専門店だったので、まずは岡山でも同じ形からスタートしました。昔ながらのシンプルなホットケーキできちんと銅板で焼いています。年配の男性の方も懐かしがって食べにきてくれます。

今後はフレッシュジュースやフルーツポンチなどの果物をふんだんに使ったメニューも徐々に増やしていくつもりです。東京では本格的なフルーツパーラーはたくさんありますが、岡山ではまだ少ないので広めていきたいなと思っています。最近、インスタ映えなど “盛り”を重要視するお店もありますが、そこはあまり考えていなくて、本物の果物の美味しさを分かってもらってシンプルにお腹いっぱいになってもらえたらいいなと思っています。缶詰や加工品ではなく生のフルーツの良さは絶対違います。

支える妻、葉月さんの決意
―― 奥様は関東ご出身で岡山に来ることに不安はなかったですか?
(葉月さん)
7年前に私が勤めていたバイト先のカフェに夫が社員として派遣されたのが出会いのきっかけです。すぐに付き合い始めたのですが、その頃からこのまま付き合い続けたら岡山に行くよって何度も言われていたので自然な流れだったかな?と思います。子供の頃から保育士になることが夢でそれを叶えて、岡山に来る前は保育士をしていました。最初はお店を手伝うことは抵抗がないわけではなかったのですが、元々カフェでバイトしていたこともありますし、人と関わること、接客することが好きなので、今はこのお店で頑張ろうと思っています。

―― お互いどんなところに惹かれたのですか?
(直樹さん)
妻の愛想がいいところが好きですね。友達みたいに波長が合うので、7年たった今でも付き合い始めた頃と何も変わらないです。
(葉月さん)
関東のカフェで働いていた時に一緒にいる時の雰囲気や空間がとても居心地よかったです。実は年齢差が9歳あるのですが、それを感じさせないです。夫は少年の心をもっているのでしょうね。

