商人　#9

3人4脚で目指す専門性

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Làlma belta

（ラルマヴェルタ）

ヘアアレンジャー

梶原路朗

STORY

美しき魂

2階へ続く階段を登っていくと美容室“Làlma belta ”（ラルマヴェルタ）がある。店に入ると明るく清潔感たっぷりの空間が広がっている。店名“Làlma belta ”（ラルマヴェルタ）は、日本語でいうと“美しき魂”という意味。外見をいくら綺麗にしても内面が美しくなければならない。本当の美とは内面の魂が美しいこと。これは、アメリカ出身の写真家スティーブン・マイゼルの言葉だ

兄弟3人で営む美容院

創業以来、代表の梶原路朗(みちろう)さん、双子の兄の稔郎（としろう）さん、姉の浅田弘美さんの３人兄弟が2人3脚ならず3人4脚で営んでいる美容院。

――創業のきっかけはなんですか？

元々この場所に他の美容院があって、僕がまだ他の店に勤めている頃、カットの勉強にきていました。その後、当時の先生からこの店を受け継ぐ形になったのがきっかけです。双子の弟と３才違いの姉も美容師で、兄弟それぞれ専門学校を卒業した後は別々の店に勤めていたのですが、この店を引き継ぐ時に3人で始めることになりました。

――兄妹3人でやってみようと思ったのは何故ですか？

僕は中学校を卒業する頃から美容師になろうと思っていました。一番は、姉がヘア・メイクの仕事を目指していたということから、影響されたんだと思います。両親は全く関係ない仕事をしていたのですが（笑）、たまたま3人が美容師を目指していて、一緒に店を出したいと思っていました。

――兄弟3人で店をされて良かったことは何ですか？

お客様からは兄弟だということで、担当が変わっても安心して任せられるという声を聞いたりします。あと、休みの日が調整しやすい（笑）。以前は、東京によく講習会に行っていたので、勤めている頃よりは融通がききました。みんなで休んで、数年前にイチロー選手を見にニューヨークまで野球観戦に行ったこともあります。

――逆に大変だったことはありますか？

最初はそれぞれ違う店で修行したので、施術方法が全く違っていて技術をひとつにまとめるのがとても大変でした。例えばカラー剤やパーマ液もそれぞれ違うものを使っていたし、シャンプーのやり方も全然違っていました。姉とは男女の違いというのもあるから、色々ぶつかり合いもありました（笑）

――表町商店街で店を出そうと思ったのはなぜですか？

子供の頃から表町商店街に馴染みがあったので、この辺りがいいなと思っていました。兄弟3人がそれぞれ店を出すことになったら、他の地域ではなく商店街の中で出店して、競い合ったり、困った時には助け合うというようなことをやりたいなと思っていました。

――表町商店街の魅力はなんですか？

アパレルなどなんでも揃う店は、大きなショッピングモールにお任せして、商店街では、何かに特化して専門的に追求しているプロ集団の町であるところが魅力ではないかなと思います。そこを僕たちも目指して行けたらいいなと思っています。

お客様の個性を引き出して似合うカットを

――お客様はどんな方が多いですか？

常連のお客様が多いです。一番長い方では、修行中の店の時から25年以上通ってくださっています。ありがたいことに口コミやご紹介で来て頂いているお客様がほとんどです。今日はお母様が常連様の息子さんが、県外に住まれているのに、わざわざきてくださっています。

――接客で大切にしていることは何ですか？

その方の個性を引き出すために、押し付けにならないようにヘアスタイルを提案しています。以前、お客様が結婚式に行かれたとき、会場の美容師さんに「上手にカットされていますね」と言われたと聞いてすごく嬉しかったです。上手なカットってやはり、その方に似合っているってことなんですよ。

オーガニックを追求し専門性を高めて行く

――今強化していることはありますか？

世の中のSDGsの取り組みの流れもあり、“環境に優しい”ということを取り入れています。まず、スタッフ全員制服にしています。服の生地を再生可能な素材を使ったものにして、私服をむやみやたらに買わないということで、環境に気を遣っています。それと同時に、スタッフが同じものを着ているということで、清潔感も出せたらいいなと思ってシーズンごとに変えています。
また3年ぐらい前からヘアカラーやシャンプーはオーガニックのものを使っています。ヘアーカラーはうちが使っているのは世界初の認証を受けたものです。92%が植物性で水に早く戻りやすく、容器自体も再生可能なんです。容器にオーガニック認証を受けている商品は珍しいですよ。