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商人 #40

お茶と健康を楽しめる、街角のティースタンド

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and green tea

次世代の茶淹人

平山 姫里有

Kiria Hirayama

STORY

カウンター越しの笑顔

天満屋本店から横断歩道を渡ってすぐ、商店街筋の一角にあらわれる「茶」の看板文字。小さな店構えながら、グリーンの外観とガラス張りのオープンな間口が印象的だ。立看板に貼られたおいしそうなスイーツの写真が目に留まり、通りを行き交う人たちも、思わず足を止めていく。

テイクアウト用の小窓をのぞいてみると、店主の平山姫里有(きりあ)さんがとびきりの笑顔で迎えてくれた。

「テイクアウト中心ですが、店内には7席ほどの飲食スペースを用意しています。買い物がてら店内や外のベンチに座って、ドリンクを飲みながらひと息つくお客さまが多いですね」

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お茶の魅力が広がるスイーツ&ドリンク

「and green tea」は、抹茶やほうじ茶を使ったドリンクやスイーツを提供するティースタンド&カフェとして、2023年8月にオープン。平山さんは24歳という若さで店を立ち上げ、「お茶」と「健康」をテーマにした多彩なメニューでファンを増やしている。

 

メニューは抹茶・ほうじ茶のクリームラテを筆頭に、ソフトクリーム、最中、和風パフェ、お茶に合う焼菓子といったバラエティ豊かなラインアップ。

 

食事は、酵素玄米を使ったお茶漬けやおにぎりといった和定食が人気を呼んでいる。カロリーや栄養素が気になる人でも、安心して食べられるのがうれしい。

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体に優しい食材にこだわる

「おすすめのドリンクは?」と聞いたところ、平山さんが「ぜひ飲んでみてほしい」と、定番人気の「アイス抹茶ラテ」をつくってくれた。

 

茶筅で点てた時に広がる爽やかな香り、ミルクと抹茶の美しいグラデーションに気分が高まる。一口飲むと、ほんのりと苦くてクリーミーな味わいが溶けあう。丁寧に心を込めてつくるのはもちろんだが、選び抜いた素材一つひとつも、おいしさの決め手となっている。

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「京都・宇治市の『宇治山政小山園』の抹茶、岡山・美作市の『下山さんちのお茶』、島根県雲南市の『木次パスチャライズ牛乳』など、食材選びにはこだわっています。白砂糖は極力使わず、アレルギー対応の餡や米粉、玄米をレシピに加えるなど、マクロビをベースにした体に優しいものを考案しています。新商品や期間限定のスイーツを考えるのも楽しいですね」

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敷居の高いお店にはしたくない

ヘルシーカフェとして、美容・健康意識の高い人からも支持されている「and green tea」だが、「敷居の高いお店にはしたくない」と平山さんは話す。

 

「好きなカフェメニューを楽しみながら、健康を身近に感じられる。そのぐらいのカジュアルさがちょうどいいかなって。誰でも気軽に寄れる雰囲気を大切にしたいです」

 

街角のカフェスタンドから、食と健康への興味を広げてほしい。平山さんが描くコンセプトは、自身がアスリートとして食に向き合った経験から生まれたものだ。

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フィギュアスケーターとして食に向き合う

平山さんは2022年までフィギュアスケート選手として活躍。アイスダンス全日本選手権で2位の好成績をおさめるなど、第一線で活動を続けてきた。

 

「6歳から倉敷のスケート場(ヘルスピア倉敷)に通ってて、そのあと10歳の頃に岡山国際スケートリンクから徒歩1分の場所に家族で引越しをしました。高校卒業後は大好きなアイスダンスを続けるために、選手活動に専念しました」

 

アイスダンス一色の青春時代を過ごし、18歳でフランス人のパートナーと練習するために渡仏。その頃から食事・体重管理の難しさに直面したという。

 

「フランスで食習慣が変わったことや、年齢的な痩せにくさが重なってしまって、体重が一気に増えたんです。無理な食事制限によってパフォーマンスが落ちてしまうことも悩みでした」

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(@kiri_stagram331)のInstagramから引用

体重のコントロールに悩んだ時期を経て、日本に練習の拠点を置いた平山さん。縁あって管理栄養士から食事管理のサポートを受けたところ、3食しっかり食べながら体重がするすると落ちていった。この時の食事が玄米食だった。

 

「食事でこんなにも違いが出るんだ! と驚き、そこから一気に食への興味が高まりました。両親が飲食店を経営していたこともあり、自分も食に関わることがしたい、という気持ちが芽生えました」

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食に関わることが新たな夢に

アイスダンスの活動に終止符を打ち、制限していた外食や友人との時間を思う存分楽しめるようになってからは、ますます飲食業への夢が膨らんだ。

 

街のイベントでサラダなどのヘルシーフードを販売し、表町商店街のマルシェイベントでは玄米おにぎりを提供。お客さんの評判は上々で、平山さんも手ごたえを感じたという。

 

「表町商店街の客層は、自分のやりたいことにマッチしているかもしれない、と感じました。そんな折に、父が『中之町商店街に良い物件があるよ』と教えてくれたんです」

いつかは健康をテーマにしたお店を持ちたいと思いつつ、まだ先の話だとも考えていた平山さん。「その夢が急に目の前に来たような感じ。最初は戸惑いましたが、せっかくならチャレンジしてみたいなって」

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商店街は、ひとりじゃないと思える場所

開店準備の期間はわずか3カ月。「寝る間もないほど忙しくて。周りの方にはいろいろと助けてもらいました」と、平山さんは当時を振り返る。

 

「お店をすることになって、中之町商店街との縁を感じました。イベント出店や家族を通じて人とのつながりができていたこと、モデルとして中之町のPR活動に関われたこと。すべてがこのタイミングでつながっていたんだなって」

 

「商店街の方々やお客さんからの応援もあって、本当に心強かったです。準備はとにかく大変でしたが、ひとりじゃないって思えたことで頑張れました」

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お茶でつながる縁

実は「お茶」というテーマが生まれたのも、中之町商店街が深く関わっているのだそう。

 

「商店街の理事長から、中之町商店街で長く親しまれたお茶の専門店『ほんぢ園』のお話を聞きました。このエリアにとってなじみ深い存在のお茶をメニューに使ってみたら? という提案をいただいたのがきっかけです」

 

倉敷・玉島の茶道教室で茶のルーツや作法を学び、生産地にも足を運んだ。駆け抜けるように開業し、あっという間に1年が過ぎた。

 

開店の夢を叶え、街にすっかりなじんでいる様子の平山さん。この場所で生まれた多くの人とのつながりは、平山さんの支えになっている。

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人のつながりが支えになる

「『ほんぢ園』を懐かしんで来てくださるお客さんもいて、ありがたいと感じます。お茶というものを自分なりのカタチで提供していきながら、このお店も親しんでもらえればいいな」と平山さん。今後は看板メニューやコラボ企画を増やしていくなど、「やりたいことがたくさん!」と笑顔をみせる。

 

そんな平山さんの目に、中之町商店街はどう映っているのか聞いてみた。

 

「人とのつながりをつくれる商店街だと思います。顔の見える温かい交流があって、お店をやっていく上でとても安心しますね。しんどいことがあっても、周りの温かさが支えになるはず。みんなが大事にしてくれるぶん、私も周りの人たちやお客さんを大事にしていきたいです」

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SHOP INFO
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   岡山市北区表町1-9-43

Tel  080-7262-9470

営業時間 11:00〜18:00

定休日 火曜日

SNS

Instagram  @andgreentea_official

https://www.instagram.com/andgreentea_official/

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